こんな経験ありませんか?
あなたは今まで、相手に価値が伝わらなくてショックを受けたことはありませんか?
あるいは、一生懸命になって説明をするあまり、相手に苦い思いをさせて罪悪感を感じたことはありませんか?
否定されるのが怖くて、言い出せなかったり、タイミングを見逃してその日が過ぎてしまうことは?
断られるたびに自分が否定された気分になって、嫌気がさしてしまうことはありませんか?
もしあなたがこれらの経験があるなら、あなたは僕と同じタイプの人です。
なぜなら、ここで挙げたことは、すべて僕自身が体験してきたことだからです。
なぜ、価値が伝わらないのか?
なぜ、一生懸命説明すればするほど、空回って、相手に想いが伝わらなくなってしまうのでしょうか?
1996年に発見された、神経科学における研究によれば、人間には「ミラーニューロン」という神経細胞があって、その細胞が相手の心情を読み取る能力があると言われています。
つまり、焦っていたり、緊張していたり、ごまかしたり、嘘の想いを話していたり、どんな内容を話していたとしても、人間は無意識にそれを察知する能力があると言われているのです。
なので、まずは正直な想いで話すことが大前提ということが分かります。
では、その上でどうすればいいのでしょうか?
セミナーで価値が伝わらないとき
昨日、インザフィールドという交流会で、ミニセミナーをさせていただいたとき、嬉しいことに「今田さん、本当に良かったです!」という声を何人かにいただくことができました。
正直、僕は緊張癖があるので、「準備をしなければ融通が効かない」というくらいの苦手意識があります。なので、突然「話してくれ」と言われても言葉が出てこないのが本当のところです。
逆を言えば、準備をすれば説得できます。
理由は簡単で、文章も、プレゼンも、説明会も含めて、すべて「ターゲット」と「話す順番」のポイントを抑えれば、説得できるようになっているからです。
なので、今日は、ターゲットを決める重要性をお伝えしたいと思います。
多くの人は、全員を説得しようとする
思い出して欲しいことがあります。
あなたが小学校のとき、あるいは中学校とき、あるいは高校生のときの「校長先生の話」を思い出してみてください。
きっと、ほとんど何も覚えていないのではないでしょうか?
校長先生が話をしているとき、約2割〜3割は寝ていて、残りの3割は天井を見上げて「ぼーっ」としている状態。そして、残りの4割は給食のことばかりを考えています。
焦点があっていないのです。
なぜ、校長先生の話を真面目に聞く人が少ないのでしょうか?
人は、自分だけのメッセージにしか反応しない
言うまでもなく、私たちは、自分には関係ないと思った話を聞くことができません。気合いと意志力を持ってしか、集中することができないのです・・・
なので、校長先生が話をしているときは、ほとんどの子供達が「自分には関係ない」と思って、話を聞かなくなるのです。
でも、校長先生が、突然指をさして「きみ、話を聞きなさい!」と言ったら、どうなるでしょうか?
面白いことに、指を刺されていない子供達も一緒に「自分だと勘違い」をしてこちらに振り向くのです。人は、自分に言われていると感じている時に話を聞くのです。
じゃあ、どうすればいいのでしょうか?
全員を説得させようとしてはいけない
「この話は、みんなに対して言っていることなんだ」と思われた瞬間、その人の話は聞かれなくなります。なぜなら、みんなに言っているのであって、自分には言っていないからです。
その逆に、「この話は、自分に対して言っていることなんだ」と思われた瞬間、その人の話に釘付けになります。
あなたがここまで文章を読んでいるのは、冒頭で「自分のことだ」と感じたからです。
多くの人が、何かしら自分には関係がある、と思ってこの文章を読んでいます。
重大なこと
「自分のことを言っている・・・」と思われれば、相手に話を聞いてもらうことができます。
自分のことにように思ってもらうことができれば、強制しなくても、勝手に話を聞いてくれるのです。釘付けになって、文章、プレゼンを聞いてもらうことができます。「聞いて聞いて」と言う必要はありません。
つまり、「自分のこと」のように思わせるためには、ターゲットの悩みや願望を知っていなければなりません。
正しい診断ができなければ、間違った処方をしてしまうのと同じように、ターゲットの悩みを履き違えたら(リサーチが足りていなければ)聞いてもらうことが難しくなります。
ターゲットを知らなければ、ターゲットを振り向かせることはできません。
まずは、ターゲットを知る。
それが、文章でもプレゼンでも価値を伝える1つの秘訣です。
P.S.
「全員に伝えようとすると全員に伝わらないが、一人に伝えようとすると全員に伝わる」
By.世界的に有名な講演家、ダンケネディ
(一言一句引用できているか分かりませんが、こんな感じ)