「なんで俺のこと分かってくれないの?」

 

これは、実際に破産になりかけた経営者の話です。

 

私は、もしかしたら

経営者は向いてないんじゃないか

と思ってしまいました

 

だって、従業員は言うことをきかないし

提携先も思い通りに仕事をしてくれない。

 

売上のことを考えると

スタッフを責めたくなる。

いや、責め立てました…

 

私は、従業員たちに

「なんか思ってることある?」と聞いて、

自己表現の機会を与えています。

 

しかし、

従業員たちは、

いつも決まってこういいます。

 

「いえ、何もありません…」

 

半年後、私はお店を閉めることになって、

妻とも離婚し、子供とも離れ、

養育費を支払うのにどうすればいいのか…

 

そんな状況でした。

人生のどん底にいました。

 

自分への怒りでいっぱいでした…

 

「なんて魅力のない経営者だ」

もう、破産をして諦めようとしました。

 

でも、そんな時、

私は彼と再開したのです。

 

4年前に知り合った社長が

「俺のところに来ないか?」

と助け舟を乗せてくれたのです…

 

その社長は、昔の飲み友達でもあって

今ではあまり話さなくなったけど

4年前はとても仲良くしていました。

この人には、何でも話せました…

ショックなことも、辛いことも、

悲しいことも、全部共有することができました…

 

同時に、夢や目標も話していました。

 

そして、その社長は今、

私に仕事をくれて、提携先も紹介し

地獄の経営状態から救ってくれたのです…

 

私は思いました。

 

この社長のように、

私は従業員の話をちゃんと聞くことが

できていたんだろうか?

 

この社長と出会わなければ

こんなことは起きませんでした。

 

この社長の従業員は

イキイキしていて楽しそうで

「社長が大好きなんです」

「職場に来るのが楽しみです」

「社長のために頑張れます!」

 

と言っています。

私は少し、嫉妬心が生まれました…

 

私は疑問に思って、

社長に聞きました。

 

「どうやったら、そんな優秀な

従業員を見つけられるんでしょうか?」

 

社長は言いました。

 

「見つけてないよ。

実は、最初彼らは、

とても言うことを聞かなかったんだよ

仕事はしないし、サボるし、

期限も守らないし、

やらさてる感が満載だったんだよ

ひどいでしょ?でも…」

 

社長は続けた。

 

「みんなの話をちゃんと聞くようにしたら

仕事をするようになったんだよ

 

一人一人のやりたいことと、

私のやりたいことを

一致させるように頑張った。そして…

 

私は今まで、

『優秀な人材は探すものだ』

なんて思っていたんだけど…

 

でも、それは違った。

 

今いる人材を優秀だと思えなければ

どんな優秀な人材が来ても

その力を引き出すことはできないだよ

 

もし私が、部下に対して

『優秀ではない』と思っているなら、

部下たちも、私を優秀だとは

思わなくなるんだよ。だから…

 

部下を信用していなかったら

部下は信用してくれないし、

 

部下を好きになれなかったら

部下も社長を好きにならない。

 

全部、私が思ってることが返ってくる

すべて、経営者の責任なんだ

・・・

私は、ショックだった。

そういう社長に対して

とても反論したくなった。

 

でも、確かにそうだった。

 

私は、最初は優秀だと思っていた

部下達を、途中から、私が勝手に

理想を高くして、優秀だと思うことを

やめていた。

 

話を聞こうとするフリをしていた。

 

「思ったこと言っていいよ」

と言いながら、言わせない空気を

無意識に作っていた

 

言うことを聞かなければ

強制力や権力で説き伏せてきた

 

私は、お店が潰れてから

今頃になってやっと気付いた。

 

自分の気持ちだけを押し通そうとしても

何もうまくいかないこと。そして…

 

強制や権力を振りかざせば

振りかざすほど経営状態は悪くなる。

 

どうか、多くの経営者。

私と同じような失敗はしないでくれ。

 

これは、僕の知り合いの経営者の話です。

今は、福岡に本社を置いて、従業員が23人います。

みんなやる気に満ち溢れ、社長のために一生懸命、そして楽しく働くことができています。

昔辞めた従業員も戻ってきて、今では絆が深まっていると言っていました。

 


話を聞く重要性


 

これは、社長や部下の関係だけでなく、家族やお客さん、そして提携先や仲間、すべてに対して言えることではないでしょうか?

実際、『7つの習慣』の著者、スティーブン・コビー博士は、「人間関係で壊れる9割以上は、どちらかが自己表現をしないことにある」と言っています。つまり、思ったことが言えない環境は、人が離れ、崩れ、人を寄せ付けなくなってしまうということ。

 

あなたが関わる環境は、いかがでしょうか?

 

 

僕は個人事業主の身なので、偉そうなことを言っているように聞こえるかもしれません。しかし、崩れ去る環境はなんども見てきました。そして、今でも、強制力や権力を振りかざし、「手っ取り早く済ませよう」とする人がたくさんいます。

 

もっと、自己表現ができる、そして、自己表現を作れる場が作れればいいなと思っています。

 

今年、僕は一人では生きていけませんでした。

いろんな場所で「助けてください」ということで、サポートをもらうことができてました。

人との関係は、本当に偉大だと感じた2017年でした。

本当にありがとうございました。

 

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

今田覚